星空保護区®について
光害防止条例について
美しい星空を守る井原市光害防止条例 前文
井原市美星町には、流れ星の伝説と、その名にふさわしい美しい星空がある。天球には星座が雄大な象形文字を描き、その中を天の川が流れている。更に、地平線から天の川と競うように黄道光が伸び、頻繁に流れ星がみられる。また、夜空の宝石ともいえる星雲や星団は、何千年、何万年以上もかかってその姿を地上に届けている。これら宇宙の神秘をかいま見ることができる環境は、井原市民のみならず全人類にとってかけがえのない財産となっている。
しかし、宇宙は今、光害によってさえぎられ、視界から遠ざかって行こうとしている。人工光による光害の影響は、半径100キロメートル以上にも及び、人々から星空の美と神秘に触れる機会を奪うだけでなく、過剰な照明は資源エネルギーの浪費を伴い、そのことが地球をとりまく環境にも影響を与えている。また、過剰な照明により、夜の安全を守るという照明本来の目的に反するのみならず、動植物の生態系にも悪影響を与えることも指摘されている。
近隣には主要な天文台が設置されているとおり、井原市美星町の周辺は天体観測に最も適した環境にあり、これまで『星の郷づくり』に取り組み、天文台も建設してきた。そして、今後も多くの人々がそれぞれに感動をもって遥かなる星空に親しむよう宇宙探索の機会と交流の場を提供することが井原市及び井原市民へ与えられた使命と考える。
このため、我が井原市民は、井原市美星町の名に象徴される美しい星空を誇りとして、これを守る権利を有し、義務を負うことをここに宣言し、この条例を制定する。
【概 要】
・平成元年制定(旧:美しい星空を守る美星町光害防止条例)
・令和2年12月25日改正
正式名称
美しい星空を守る井原市光害防止条例
条例の目的
生活に必要な夜間照明を確保しつつ、光害から美しい星空を守ることを目的とします。
適用区域
井原市美星町
光害防止の目標
夜空の明るさが前年度よりも明るくならないことを目標とします。
それぞれの責務
市は、光害についての知識の普及を図るとともに、光害防止の技術指導及び施設の整備について必要な援助を行い、市民・事業者は、光害の防止に努めるとともに、市が実施する光害の防止に関する施策に協力してください。
光害防止モデル地区
市長は天体観測施設など、特に光害を防止する必要がある地域を「光害防止モデル地区」として指定することができます。
天体観測等への協力
重要な天体観測が行われるなど、夜空の明るさを制限する必要があるときは、屋外照明の自粛などの協力をお願いします。
光害の測定
市は、夜空の明るさを測定し、その資料を公開します。
光害防止対策費用の補助
市は、基準に適合した屋外照明器具の新設や取替えに対し、規則で定める補助基準により、必要な経費の一部を補助します。
必要最小限の照明の奨励
屋外照明は必要最小限、適切な照明に心がけます。
保安灯など必要なもの以外は、夜10時以降は消灯します。