星空保護区®について
星空保護区®とは
国際ダークスカイ協会(IDA)が、2001(平成13)年に始めた「ダークスカイプレイス・プログラム」(和名:星空保護区認定制度)は、光害の影響のない、暗い自然の夜空を保護・保存するための優れた取組を称える制度です。認定には、屋外照明に関る厳格な基準や、地域における光害に関する教育啓発活動が求められており、自治体や観光業界、産業界、地域住民など多くの人々の理解と努力によって支えられています。現在5つのカテゴリーと受付終了の1つのカテゴリーがあり、すべてのカテゴリーの認定地を総称して、国内では「星空保護区®」と表記されています。
● 国際ダークスカイ協会(IDA)とは
世界の天文学者・環境学者らを中心に光害問題に取り組む世界最大のNPO団体。1988(昭和63)年に設立され、米国アリゾナ州にある本部と、世界18ヵ国64支部を有しています。また、日本唯一の支部として、国際ダークスカイ協会東京支部(IDA東京)があり、国内の光害問題に取り組む任意団体として環境分野・照明分野・天文分野など様々な専門家が連携・協力して活動しています。
International Dark-Sky Association (IDA)
【https://www.darksky.org/】
国際ダークスカイ協会東京支部(IDA東京)
【https://idatokyo.org/】
● 星空保護区®のカテゴリー
ダークスカイ・コミュニティ (International Dark Sky Communities)
ダークスカイ・コミュニティは、町や市といった自治体単位が認定対象です。質の良い屋外照明の使用に関する条例の施行、光害についての活発な教育啓発活動、地域住民の夜空保護への支援など、優れた取り組みが実施されており、周辺地域への模範となる地域です。
ダークスカイ・パーク (International Dark Sky Parks)
ダークスカイ・パークは、自然公園・森林公園・エコパーク等として運営されている場所が認定対象です(公有地・私有地を問いません)。自然保護のために質の良い屋外照明を使用し、非常に暗い環境と美しい星空が保たれており、ビジターに対して星空観察や自然観察のイベント、光害に関する教育プログラムなどを提供している場所です。
ダークスカイ・リザーブ (International Dark Sky Reserves)
ダークスカイ・リザーブは、700平方キロメートル以上の面積を持つ公有地・私有地が認定対象で、自然保護および科学的・教育的・文化的目的のために、非常に暗い環境と美しい星空が保たれている地域です。特に暗い環境を保持する"コア領域"と、その周囲の"周辺領域"(バッファー領域)から構成され、複数の自治体・土地所有者が長期的視野で協力・連携し、屋外照明の規制・暗い夜間環境の維持に取り組んでいます。
ダークスカイ・サンクチュアリ (International Dark Sky Sanctuaries)
ダークスカイ・サンクチュアリは、周囲に屋外照明がほとんど存在しない、世界で最も隔絶された場所であることから、非常に暗い環境と美しい星空が保たれている地域です(公有地・私有地を問いません)。地理的条件により、地域での教育啓発活動はあまり行われませんが、光害に対して最も脆いこれらの地域の価値を啓蒙し、長期的に保存することを目的としています。
アーバン・ナイトスカイプレイス (Urban Night Sky Places)
アーバン・ナイトスカイプレイスは、暗い夜間環境を保護・推進するための優れた取り組みをしているが、近隣の明るい都市の影響により他のカテゴリーでは認定が受けられない場所(都市公園、広場、展望台など)です。光害に配慮した質の良い屋外照明利用の模範となり、その普及を促すとともに、都市の人々が星空を楽しめる場所を提供することを目的としています。
ダークスカイ・ディベロップメント(Dark Sky Friendly Developments of Distinction)
→2019年12月31日をもって申請の受付が終了し、このカテゴリーは廃止予定
ダークスカイ・ディベロップメントは、街の一区画・マスタープランを有するコミュニティ・自治体単位でない複数の区画や地域の融合体などが認定対象です。その地域計画が自然の夜空を保護する優れたものでありながら、ダークスカイ・コミュニティの認定対象とはならないケースが該当します。光害に配慮した質の良い屋外照明の利用を促進し、普及させることを目的としています。