季節の星座・天文イベント
四季の星座:秋
秋になると大気が澄んできて星空観測にはよい季節になっていきます。9月には天頂付近に見えていた「夏の大三角」や夏の天の川も10月には西へと沈んでいきます。10月に入ると秋の星座で夜空が彩られるようになってきます。
秋の星座を探すには、南の空高いところに同じくらいの明るさで光っている4つの星をまず見つけてみましょう。この星たちは翼を持った馬、ベガスス座の胴体になります。この4つの星でつくられる四角は「秋の四辺形」と呼ばれています。秋の夜空は明るい星が少ないのですが、この四辺形を目印に色々な星を見つけることができます。
秋の四辺形の西側の一辺を南に伸ばしてみると明るい白い星が見えてきます。「みなみのうお座」の口にあたる「フォーマルハウト」です。日本では「秋のひとつぼし」とも呼ばれている秋の空、唯一の一等星です。その上の方には12星座のひとつである「みずがめ座」が見えます。みずがめ座は美少年ガニメデが水瓶をかついでいる様子を描いていて、水瓶から流れ落ちる水を「みなみのうお座」が飲んでいるように見えます。
みずがめ座の南側、小さな星が点々と連なって作る逆三角形が12星座のひとつ、「やぎ座」です。やぎ座には2等星以上の明るい星がないため、市街地では見つけにくいかもしれませんが、美星町では特徴的な逆三角形の星の並びを確認することができます。やぎ座は、羊飼いの神パンであると言われています。パンは生まれた時から頭に山羊の角と毛の生えたとがった耳を持ち、上半身は人間で下半身は山羊という姿。パンの母親は、産んだ我が子を見て気を失ったそうです。でも、パンは自分のそんな姿にもくじけず明るくお調子者で、人を笑わせるのが大好き。みんなの人気者となり楽しく暮らしていました。ある日、神様たちが宴会を開いていました。楽器も得意なパンは笛を吹いて盛り上げていました。そこに突然怪物が襲いかかって来たのです。神様たちは思い思いの姿に変身し、われ先にと逃げ出しました。パンも早く逃げようと思い山羊に変身します。しかし目の前に川が!今度は魚に変身しようと思いながら川に飛び込みました。が、あまりにも慌てていたため水に浸かった下半身だけが魚になり上半身が山羊のまま、という姿になってしまいました。その滑稽な姿がやぎ座の形になっています。慌てることを英語でパニックといいますが、語源はこのパンからきていると言われています。
この様に、星座には神話に基づく様々な形やストーリーがあって、それを調べて夜空を見上げると、星空観察も一層楽しくなるのではないでしょうか。